本つくりを手伝い出版へ

恩師の野沢正光さんの本「野沢正光の建築 詳細図面に学ぶサスティナブルな建築のつくりかた」が先日出版されました。この本は事務所のOBが中心となり、企画や編集を担いましたが、主導してくれた先輩の廣谷純子さんと共に企画からお手伝いさせてもらった本で、出版まで長い道のりでした。時を経て魅力を増した「相模原の住宅」を写した表紙の写真が、この本の内容を物語っているようです。

この本は「複雑な全体を解く」「これからの建築を考える」という2つの章で構成されますが、建築の設計過程では普遍的なテーマです。野沢さんがそれらをどう考え、解いたかをわかりやすく伝えたくて、テーマごと分解して図面と写真や計測データなどを並べて紹介する事にしました。図面の見せ方として実施設計図として横長で描いていた図面はそのまま横長で紹介したいとの事で観音折の見開きページを設けてあり、出版社泣かせな贅沢なつくりです。

私が企画に参加するにあたって、影響をうけた本は「吉村順三のディテール 住宅を矩計で考える」でした。「いつも机の横において、何かに行き詰ったときの打開の手掛を見つけ出し得る本が欲しいと思った」と共著の宮脇檀さんがあとがきで書いていて、私の机の横にある本ですが、そのような本にしたいと思いました。矩計で考えるという部分は野沢さんの設計の進め方と重なります。掘り下げるテーマは異なっても宮脇さんが創った「居住空間デザインコース」で私が学んだ考えと、野沢さんの建築には通じるものがあると分解したテーマからも思うところがあります。宮脇さんがつないでくれた縁により野沢さんを師として修業させてもらい、恩師つながりでまた縁が広がり建築設計の仕事を続けてこれていると振り返り感慨深いです。

竹簾

レミングハウスの外構では「as it is」や「上総の家」にて、地元の素材の「竹簾」をフェンス(塀)にしています。「まるがやつ蔵」も同じ地元の房総にあるので、竹簾でフェンスをつくる事にしました。竹簾は農業用資材です。お正月飾りに使う「千両」栽培にて、センリョウを浜風と直射日光から守るために竹で割いて編んだ特殊な簾で囲います。その簾を編んでくれるところが、大多喜にあり、地場産の竹材による塀となりました。そして、この竹簾をまるがやつを運営する「人と古民家」のスタッフ平田さんと一緒に取付をしました。「人と古民家」を立ち上げた牧野嶋さんも平田さんも中村先生の教え子。このまるがやつ蔵は恩師と教え子チームでの古民家継承の事例をつくっているところが面白いプロジェクトです。さて、竹簾の取付は考えていたよりも力仕事でしたが、平田さんが力持ちで、とても頼りになりました。現場では大工さん左官屋さん設備屋さん電気屋さんに加えて、今回竹簾フェンス工事の指導役と植栽工事を担ってくれた庭師さんが参加し大賑わいの現場でした。小さい現場で譲りあいながら協力してくれた皆さまに感謝です。

風呂桶を搬入し、竹簾フェンスで囲われ、風呂小屋もカタチになってきて一安心です。 植栽はコグマササと枝垂れ桜を植えました。

古建具のお引越し

まるがやつ蔵では風呂小屋を増築中ですが、「新しい小屋には古い建具を使おう」と中村さん。「桜花園葉山」へ古建具を見立ててもらいに行きました。お店には所狭しと、解体された古民家などから集められた古材や古建具、古道具などが沢山ならんでいます。古建具は大きさや種類がラベリングされていて、定員さんにサイズ用途欲しいデザインなどを伝えると数ある中から、次々とお勧めを見せてくれます。私がもし一人で選んでいたら、きっと、これ!というものを決められず迷ってしまうところですが、中村さんはささっと風呂小屋に合う建具を決めてくれました。

「桜花園 葉山」の入口の佇まい。しっとりとした雰囲気の木のトンネル道を抜けると古建具などが並ぶお店へ。
選んだ古建具をまるがやつ蔵へ運び、大工さん建具屋さんとこれらの建具を納める枠の打合せを行いました。
アウトドアリビング(テラス)には 七輪キッチンをしつらえました。

小さな上棟

まるがやつ蔵へ風呂小屋建て方に立ち会ってきました。構造材は地場材で、大工さんの刻みによる小さな小屋です。手運びで脚立による足場だけで可愛い小屋が上棟しました。

多喜にあるまるがやつ蔵まで電車で行きました。外房線大原駅でいすみ鉄道へ乗換て、鉄道の旅です。のどかな風景の中を走るいすみ鉄道の旅もおすすめです。

大原駅では乗換時間がかなりありますので、早めのお昼ご飯を駅前の定食屋さん「ふじや」にて。創業昭和元年。キスフライ定食はなかなかおいしく、他のお客さんが食べていたアジのなめろう定食も今度試したいです。

museum as it is へ 

大多喜にある古民家の宿 まるがやつKURAでアウトドアリビング工事の次は風呂小屋工事が始まります。大多喜とas it isは車で30分ほどの近さなので、施工を担ってくれる高師工務店の高師さんと一緒に訪れました。落ち着く居心地の良い場所です。

museum as it is

盛岡再訪

恩師 中村好文先生に「モリオカえほんの森保育園」を案内できる事になり、園児たちが生活している光景を見れるという嬉しさも合わさって盛岡を再訪しました。

写真では載せていませんが、ほふく室の赤ちゃんたちがつかまり立ちで園庭を眺める事ができるといいなと思い設置した廊下越しの窓に、意図通りにつかまり立ちで出迎えてくれて嬉しかったです。
森の中を通りぬけるように玄関ホールを設けた。 靴箱は岩手県産の胡桃材。
食堂ホールから給食室で調理する様子を見る事ができる。
食堂ホールの中央に配置されたイングルヌック 火を眺める事を子どもたちに体験してもらえる特別な場所にであるこのイングルヌックの壁にデザイナーの皆川明さんに絵を描いてもらいました。その事を提案してくれたのが中村好文先生です。森の中に動物が描かれています。

まるがやつ蔵でテレワーク

まるがやつ蔵の食卓にて

大多喜にある一棟貸の宿 まるがやつKURA でリモートワークも可能です。厚い土壁に囲まれた静かな空間をもつ宿です。これから外部での暮らしも豊にするアウトドアリビングと風呂小屋の計画があります。今日は現地説明にきました。

趣味どきっ!北欧スタイル

小路の家

趣味どきっ!北欧スタイル(7)「おうじで実践!インテリア(2)」

『NHKEテレ1 東京 2021年1月20日 午前11:30~午前11:55 再放送』

にて、築10年後の「小路の家」での暮らしぶりが紹介されました。

おもてなし上手のクライアントにて街の中の小路が居間に通って集まってくるような家です。

番組ではステイホームを快適にするための照明の工夫についてデザイナーであるクライアントの森さん夫妻が語っています。

「New Normal」な暮らし展

OZONEが考える「New Normal」な暮らし展にて、玄関に土間の仕事場を持つ家のパネルと模型を展示しています。1月7日~2月2日まで リビングデザインセンターOZONE 6階にて

コロナ禍において在宅ワークやおうち時間が増える中、家での暮らしの心地良さの大切さを見直されています。

同じくOZONE6階 の子育てファームでは「君の椅子」15年Ammiversary展も開催中です。誕生した命(いのち)に居場所としての椅子をとプロジェクトに参加する自治体にうまれたすべての子どもたちに1脚の椅子が贈られるというプロジェクト。一番手前の椅子は2006年 のスタートの時の椅子 デザイナーは中村好文さん 毎年デザイナーを変えて 三谷龍二さんや小泉誠さんなどによるものもあります。