プライバシーに配慮した都市型住宅

 道路から細長い通路状アプローチの奥に敷地が拡がる旗竿敷地、築年数の古い既存の木造住宅を建て替える計画です。周辺も同様の木造住宅が密集する地域で、災害時の危険性もあり区も老朽住宅の除去、不燃化を推進しています。
 敷地面積の内、通路部分に面積をとられ建物として計画できる場所は決して広くはありません。庭のような外部空間を確保することも難しく、四方を隣家の窓に囲まれ、特に南面する隣地はアパートの通路部分になっており、周囲からの視線が気になり窓を開けにくい環境でした。
 

個室から中庭越しにリビングを見る
【写真1】個室から中庭越しにリビングを見る.

 

 これらの状況から、全体は単純な矩形とした上で内部に囲われた中庭を設けたコートハウス形状とし、プライバシーに配慮しながら明るく開放的な住まいを目指しました。

アプローチから玄関
【写真2】アプローチ.玄関上部は約1.8mの片持ち形状.
中庭
【写真3】リビング前の中庭.アルミルーバーで隣地からの視線をカット.

日射を適切に採り入れる

 南側の窓を開けられることは陽射しを採り入れられることにもつながります。庇を設けることで太陽高度の高い夏は陽射しの侵入を和らげ、太陽高度の低い冬は陽射しを室内に充分採り入れられるような断面計画としています【写真3~4】。


中庭
【写真4】庇で夏の日射を和らげながら冬の日射取得を図る大開口部.

 
 リビング奥の壁面は外断熱を施した上でコンクリート打放し仕上とし、陽が射し込む冬期には直接日射を蓄えることを意図しています。通年で考えても、比較的熱容量(熱を蓄える能力)が小さい木造住宅の蓄熱容量を高め、室内の温度変化の緩和も期待できます【写真5】。
 各窓にはスクリーンブラインドを設け、状況に応じて日射を調整することも可能です。

リビング
【写真5】周囲の視線を気にせず開放的に暮らせるリビング.
リビング
【写真6】奥の壁面はコンクリート打放し仕上とし、インテリアのアクセントになると共に冬期の日射蓄熱、全体の熱容量を高めることにも.
玄関
【写真7】玄関から利用できるシュークローク.
階段
【写真8】階段下も利用したクローゼット.
ランドリー
【写真9】室内干しを備えた洗面ランドリー.