全面的な住宅改修

 家族が増え既存の間取りでは色々使い勝手が悪いので、外装補修、設備更新と併せて柔軟性のある間取りに変更する事が求められました。
 内部は一度スケルトン状態にまで解体し【写真3,4】、大工さんと一緒に躯体の劣化状況などを確認し、補強計画を検討しました。あわせて壁や開口部を断熱補強し、 外部は外壁と屋根の補修塗装を行いました。

【写真2】2部屋に仕切られていた改修前の様子.
土間ワークスペース
【写真1】改修後のリビング.一部は畳の小上りにし、下部は収納として利用.
ライブラリー
【写真3】内部解体時の様子.土台や柱の傷み具合を確認します.
ライブラリー
【写真4】柱や梁の架かり方、筋かい、金物の有無も確認します.
【写真5】一部は造付けの家具を設置.

リビングはキッチンと一体的に

 キッチンとリビングは一体的なワンルーム空間にしました。リビングの一部にはあえて一段高い3帖程度の小上りを設け、腰かけたり横になったりできる多様な場所としました。
 外壁側に向かっていたキッチンは食洗器、炊飯器収納のある造り付け家具などのある新しいキッチンに入れ替え【写真5】リビング側に向かうよう変更しました。キッチン前には小さなカウンターを設け【写真7】ちょっとした作業や小さな子の勉強スペースとしても利用します。リビングの開口部はペアガラスサッシに交換しました【写真6】。
 経験に基づいてある程度は事前に想定して設計をしていますが、改修工事では解体してみないとわからない事があります。解体後に柱を撤去できるかどうか検討し、問題が無い柱は撤去し、一部は新しい柱に入れ替えました。

【写真6】キッチンからリビングを見る.
【写真7】キッチン前には小さなカウンター.

柔軟に使えるフリースペース

 2階は畳室と個室を1つ設け、その他はあえて部屋として仕切らないフリースペースとして計画しました。子供の成長にあわせて家具を間仕切のように使用することで拡げたり縮めたり柔軟な使い方ができます【写真8,10】。
 フリースペース上部にはロフトを設け収納に利用します。屋根形状に合わせて天井高を確保し、フリースペースの拡がりが感じられるよう一体的に計画しました【写真9】。既存の柱梁の位置を考慮して新しく梁を架け、一部は既存の梁をあらわしにしています【写真8】。
 また、改修前には無かった小さな洗面スペースとトイレも設け利便性も高めました。
 畳室も内装、収納を造り替えましたが、一部の収納扉や障子は改修前のものを再利用しています【写真11,12】。

キッチンバックカウンター
【写真8】2階フリースペース.
棚下照明
【写真9】ロフトスペース.
キッチンカウンター
【写真10】ロフトスペースは屋根形状に合せて開放的に計画しました.
ライブラリー
【写真11】畳室.一部の収納扉や障子は改修前のものを再利用しています.
ライブラリー
【写真12】フリースペース出入口は両引戸で1,500mm開放できます.
【写真13】オープンなリビング階段.

オープンなリビング階段

 改修前は玄関から直接2階へアクセスする階段でしたが、リビング経由で上り下りするオープンな階段に改修しました【写真13】。リビングの拡がりを増すと共に、階段上部の窓からの光を採り入れることができます。また、上下階の窓を開ければ垂直方向への風の通り道を確保し自然換気を促すことにもなります。
 階段横の余地を利用して小さな収納+飾り棚を設け、リノベーションという限られた面積の中で少しでも有効に利用できるよう工夫しています【写真13】。
 階段上部には小さな子の安全性や空調効率を考慮して引戸を設けました【写真14~15】。また、階段には通常高さの手摺だけでなく幼児でも握りやすい高さにも2段目の手摺を設けています。


【写真14】階段上部の引戸.
【写真15】引戸を開けた状態.

浴室を広く

 洗面脱衣室は一部階段下を利用して洗濯機置場を併設しました。洗面台は設置位置の寸法に合った既製品を利用し上部には収納棚を設けました【写真17,18】。

ワークスペース階段

【写真16】元の浴室.

 改修前の浴室は在来のタイル貼、広さは0.75坪で、出入口には段差がありました【写真16】。
 間取りを変更することで1坪タイプのユニットバスを設置できる広さを確保しました。併せて出入口の段差も解消しています。着脱式のハンガーパイプを設置し天井の換気乾燥暖房機を利用できます。

西側外観
【写真17】浴室(キレイユ/LXIL).
西側外観
【写真18】洗面化粧台(LC/LIXIL).
キッチンカウンター
【写真20】改修後の玄関.玄関ドアの位置を変更しました.
【写真19】改修前の玄関.

玄関ドアの位置を変更

 改修前の玄関はドアを開けると正面の道路から室内が見える位置にありました。駐車場側にスペースの余地がありましたので、ドアの位置を駐車場側に変更し、アプローチと併せて外壁を新たにまとめました【写真19,20】。
 玄関内部は収納を造り付け、収納引戸には改修前に利用していた姿見を貼りました【写真22】。

キッチンバックカウンター
【写真21】玄関近くに設置した手洗い.
キッチンバックカウンター
【写真22】鏡を貼った玄関収納扉.

耐震補強と断熱補強

 改修に併せて筋交を入れ、金物を設置し耐震上の補強を行いました。全体の壁配置や量を検討し壁の補強には耐震ボードも採用しました。
 床下には防湿フィルムを敷き木造躯体の腐朽を軽減します。床下、壁、天井をくるむように断熱材を入れ、【写真26】断熱補強しました。玄関ドアは断熱性の高いものに交換し、窓は一部は複層ガラスの新しいものに交換、一部は内付インナーサッシを取付断熱補強しました。

西側外観
【写真23】新たに入れた筋交と金物.
西側外観
【写真25】床下防湿フィルム.
西側外観
【写真24】耐震ボード.
西側外観
【写真26】断熱材.