敷地を最大限に活用する

 道路からの細長い通路状アプローチと奥の敷地角度が振れている旗竿形状の敷地。限られた敷地を最大限活用するために、駐車スペースを設定した上で、玄関をアプローチ部分にせり出すように計画し【写真1】、主要室部分の面積を確保しました。

 アプローチと主要部に敷地内高低差があるため、玄関部分のみスキップフロア形状の構成とし、内部で段差処理をしています。玄関は充分な面積を確保し自転車を収納できる広い土間スペース、靴や外部用品なども収納できる玄関収納を設けています【写真2】。

 玄関上部に吹抜と開口部を設けることで、周囲からの採光が確保しにくい玄関を明るくし、主要室とは吹抜を含め建具で間仕切り、外気の影響を低減しています。

アプローチ
【写真1】駐車スペースを兼用するアプローチ.
玄関
【写真2】土間を広く設けた玄関.右側には玄関収納

天井の高い2階リビング

 1階の陽当たりが期待できない周辺環境から、2階にリビングを設ける計画としました。2階は構造的負担が少ないため、リビング、ダイニング、キッチンを一体的に広くスペースを確保し、斜線制限の範囲内で天井を高く設定することで日射を採り入れています【写真3~5】。

リビング
【写真3】2階リビング.冷暖房負荷を抑えるため熱交換型換気システムを設置.
リビング

【写真4】リビング南側の天井高さを確保し開口部から日射を採り入れます.

リビング
【写真5】北側は斜線制限に合わせ天井高さを抑えています.
トップライト
【写真6】建物中心位置に設けたトップライト.開閉も可能。

周辺建物がせまる環境でも明るく開放的に

 周辺建物がせまり採光上不利な環境ですが、ほぼ中心位置にトップライトを設け【写真6】、自然採光を確保しています。

 トップライトにより周辺からの光が届きにくい2階を明るくすると共に、さらに下部を吹抜とすることで1階にも散乱した自然光が届くような構成としました【写真7】。

 トップライトは開閉することもできるので、季節によっては重力換気(暖気が上昇する性質を利用したエネルギーを使わない自然換気)による自然通風を図ることもできます。

トップライト
【写真7】トップライト下部は吹抜とし1階にも散乱光を届けます.

スキップフロア

 一部をスキップフロア形状とすることで敷地の高低差を解消し、途中の踊り場部分を利用して書斎スペース、トイレを設けています【写真8】。この1m程度の高低差によりリビングとの適度な距離感が得られるとともに、上下階が緩やかにつながります。

リビング
【写真7】リビング南側開口.ブラインド等で調整.
スキップフロア
【写真8】スキップフロアを利用した書斎スペース.
洗面室
【写真9】2人同時使用も可能な洗面室.